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帝王切開Q&A

帝王切開に関する質問で多いものにお答えいたします。

産後について

母親としての自覚は生まれる?

陣痛の経験や経腟分娩ではないと、お母さんとして失格だと思っている方がいらっしゃいますが、そのようなことは決してありません。
帝王切開も経腟分娩も同様に長い間大切に赤ちゃんをお腹の中で育ててきたことに変わりありません。 自信を持って子育てをなさってください。

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母乳はあげられる?

出産により胎盤がなくなると、ホルモンバランスが変化して母乳が出るようになります。
帝王切開初日はお腹が痛いので授乳は控えますが、翌日には授乳できるようになります。早産などで赤ちゃんがNICU(新生児集中治療室)に入院している場合は、母乳を搾って哺乳びんなどであげます。 お母さんの血圧が高かったりタンパク尿などがある場合は、安静期間も大切にしながらゆっくり母乳をあげるようにしましょう。

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お腹の抜糸は痛いですか?

個人差はあるものの、ちょっと引っ張られるような感じがするくらいで、強い痛みはほとんどありません。
最近では医療用ステープラー(後日取り除きます)、溶ける糸(抜糸はしません)で皮膚を閉じる施設も増えていますので、 痛みへの心配はほとんどいりません。

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産後の痛みは?

帝王切開後は、後陣痛や傷の痛みなどを感じる方が少なくありません。
しかし、術後はたくさん動く方が子宮の回復も早くなりますので、痛み止めを上手に使いながら早期に離床して、 歩くなど体を動かすようにするとよいでしょう。

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お腹の傷跡はどんなふうになりますか?

3ヵ月程度で赤みがとれ、1年くらいで目立たなくなります。
ただし、個人の体質によってはまれにケロイドが残る場合もあります。

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年齢が高くなると、回復が遅くなる?

個人差が大きいため必ず回復が遅れるというわけではありません。
しかし、一般に年齢が高くなると、妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)や子宮筋腫などを併発するケースが増えるため、若い人と比較して産後の回復に時間がかかる可能性はあります。

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出産後、気分がすぐれないのですが、マタニティブルーですか?

マタニティブルーは産後3〜6日に10〜50%発生するともいわれています。
症状には不眠、食欲不振、涙もろさ、不安などがあります。 これは、出産後に急激に内分泌変動が起こることが原因で、自然に治るため、心配ありません。
ただし、症状が続く場合はうつ病になる可能性もあるので、医師に相談してください。

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生理の期間が長くなる?

帝王切開を行うと、生理の5日目ごろに月経が一旦終わったように感じ、その後ごく少量の出血が3-5日続くということが起きる人もいます。 これは、子宮を切った部分が少しくぼむため、少量になった月経血がその部分にたまり、たまった月経血がその後ゆっくりと押し出されていくためにみられる現象です。 月経そのものが長くなっているのではなく、すでにはがれているものがしばらく子宮の中にとどまってから出てきているのです。
実生活では、おりものシートを長く使用しなくてはならないなど、不愉快なこともあるかもしれませんが、大切な赤ちゃんを帝王切開で出産なさったお母さんの努力の結果として起きていることです。
頻度は少ないですが、ほかに原因がある場合もありますので、しっかりした月経様出血が8日以上続く場合や14日以上が生理期間になる場合は医師に相談してください。ほとんどは大きな障害ではないので、心配ありません。

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セックスはいつ頃から大丈夫ですか?

目安は、産後の1ヵ月健診以降から2ヵ月位になります。出産は子宮や腟に小さな傷をたくさんつくりますが、1ヵ月位で回復します。健診で問題がないと言われたら分娩方法にかかわらずセックスは可能になります。産後は女性ホルモンが低下するため、腟の表面がデリケートで乾燥しやすくセックスで痛みや違和感を感じる人もいます。その場合は専用のゼリーを使用してください。

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次の妊娠はいつごろから大丈夫ですか?

帝王切開のあとは、次の妊娠まで1年以上空けるようにしましょう。
これは帝王切開で傷ついた子宮が治るまでの期間と考えてください。
1年以内に妊娠した場合は医師に相談してください。
出産後は生理が再開していなくても妊娠の可能性はあるため、避妊をしなければいけません。

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VBACは安全ですか?

帝王切開で出産した人が、次に経腟分娩を試みることをTOLAC(Trial of labore after cesarean elivery)といい、経腟分娩をするとVBAC (Vaginal birth after cesarean section:ブイバック)と言います。
TOLAC時のリスクとして子宮破裂があります。以前に帝王切開をしていると、子宮に傷が残っています。 この切開創の部分は他の組織よりも弱いため、子宮筋が収縮したり伸展をしたりを繰り返す際に破れる危険があります。 そのため多くの医師が、VBACによる出産よりも反復して帝王切開で出産する方が安全と考えています。
また、TOLACはどの病院でもできるわけではなく、子宮破裂などのリスクに対応できる病院で行うのが望ましいでしょう。